ジッドと立川談志

最近読んだ本たち。

狭き門 (新潮文庫)

狭き門 (新潮文庫)

アッという間に読み終えてしまった。
『狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣(ひろ)く、之より入る者おほし。』というキリストの言葉があるらしい。
その狭き門は2人で通るには狭すぎるという考えに至った女は、最も愛する男のために犠牲になる。その自己犠牲へ至るまでの思考が私にとって驚きでいっぱいだった。 お互いが困難を迎え入れてそれを乗り越えることに大きな意味?..意味を感じその2人が行きつく場所は「幸福」ではなかった。平易で読み返したくなるほどキレイな文章で書かれた約200頁のこの本はアッという間に読み終えたが、「?」がいっぱい。

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この本を読み終えて、どんなに歳を重ねても小説を読み続けていきたいと思った。この本があまりにも生活から遠く離れたもののように思ったことがきっかけだ。窮乏に喘ぐ人に小説を渡したところでどうにもならないのは分かっているけど。
あとこの作者ジッド、誕生日がさやぱんと絲山秋子と同じく11月22日生まということが後書きにて分かり、ひとり二ヤリとする私でありました。ちょほほっとしたこんな偶然がね好きなんだわ。ぶり。

あなたも落語家になれる―現代落語論其2

あなたも落語家になれる―現代落語論其2

「落語とは業の肯定である。」
ほとんどの芸術は業の克服がテーマとなっているけれど、落語は違う。


本書は落語の入門書と言ってもいいと思う。
落語とはなんぞやに始まり落語の成り立ちや立川談志が見てきたあらゆる落語家、噺、そして現代の落語について(といってもこの本は1985年出版)聞くことができる。話を逸れていろんな小話をしてくれるのも楽しい。昭和の落語家について話すところではたくさんの興味を惹く噺や落語家を発見できる。この本を読んだ人は1度は落語を生で見てみたいと思うんじゃないかと思った。 それから、立川談志の人の本質を見抜く力には恐れ入った。そもそも10代の時に柳家小さんというのちに国宝になるまでの人に自ら弟子入りしたことがもうすごい。
元気な立川談志の噺を見に行きたい。