秋刀魚を焼いた。
すぐにでも泳ぎだしそうな、海から飛び出てきたような秋刀魚で、つやつやつるつるしていた。感触が新鮮で、秋刀魚に鱗がないことを初めて知る。焼きやすいように腹わたに包丁を入れると、内蔵らしき小豆色のものがにゅるっと出てきた。こういうと気持ち悪いけど、いただいているんだと思った。妙に落ち着いていた瞬間だった。パピルスcoccoが拒食症のことについて話していた。何かを食べると責任を背負う、といったニュアンスのことを話していた。

靴ずれ。それからヒールの高い靴で歩きまわったせいで、床に着いている今も足がほかほかじんじんしている。大学を卒業してから初めて働かせてもらった職場は、女子はヒールのある靴を履くことと決められていた。足裏は固くなりしまいには魚の目ができた。あの時を思い出した。みんな元気でいるだろうかな。