ユリイカ2008年9月号 特集=太宰治/坂口安吾 無頼派たちの“戦後”

ユリイカ2008年9月号 特集=太宰治/坂口安吾 無頼派たちの“戦後”

おもしろかった。
太宰治坂口安吾特集。
太宰治が好きで彼の作品について誰かと話したいけど話せなかった人とか読むと面白いかもしれない。
太宰治ががっつり批判されているのを読んで、何度も肩をすくめ苦笑した。太宰治の作品はほとんど読んでいるけれど、太宰文学の批判というものをこれまで目にしたことがなかった。なので、いろんな発見があって面白かった。町田康太宰治のことを話していて、そこだけでも十分読み応えがった。太宰は無頼派と呼ばれていて、無頼派と呼ばれる人の中に織田作之助という人がいる。その人の書いた短い文章が掲載されていたので読んだらなかなか印象に残るもので、これがネット上でも読めるので暇な人はどうでしょうか。織田作之助 馬地獄

倉橋由美子さんと島尾伸三さんの太宰批評は痛快で特に印象に残っている。

ずっと前に世を去った太宰治のほうは、いまだに異様な親衛隊につきまとわれていますが、坂口安吾にはそういうものはありません。
(...)作家が愛される秘密は、かれのなかの「おまえ」の恥部を愛撫することにあります。この本能を備えている作家の文体にはあられもないいやらしさがあり、したがってまさにその理由で彼は確実に愛されるのです。//倉橋由美子